有限会社イーアレー
■現在位置[サイトマップ]:ホーム@niftyなお店>フィリックスコラム

@niftyなお店 フィリックスコラム

←前月のコラム フィリックス コラム(2012年6月号) 次月コラム→

「ユーミンと私」


 

私は、ここしばらくユーミンのことを忘れていましたが、最近ユーミン好きのAさんが

来店されるようになり、ユーミンを久しぶりに歌った時に、「やっぱりユーミンは、天才だ」と思いました。

私の高校生時代にアルバム「SURF&SNOW」が発売されたころ、

このアルバムには、文字通りサーフィンだのスキーだのといったレジャーと恋を絡めた恋の歌が納まっていました。

「彼氏と一緒にサーフィン」

など、ということは、夢でしかなかった高校生の私は、ユーミンのアルバムを聴いて、

「私が大人になったらこんなことや、あんなことを、、、、、」

という野望をたぎらせていたのです。

ちなみに大学時代は、「NO SIDE」とよく聴いていました。

これは、ラクビー部員の彼氏をもつ女の子のつぶやき、みたいな歌なわけで、

体育会の男子と付き合っていた私としては、自分とその歌とを重ね合わせてうっとりしていたものです。

今、改めて聴いてみると、ユーミンの作る歌詞は、バブル時代に適応しやすいものであったことが、わかります。

クリスマス、誕生日、中央高速、ユーミンの歌は、時期や場所を特定し、

その状況下における女性心理というものを歌っていた。

バブル時代というのは、人々が、「状況」に憧れることができた最後の時代でありました。

クリスマスは、彼とフレンチを食べてホテルにお泊まりとか、初夏はオープンカーで、ドライブに行きたいね、とか、

長い不景気の時代になってからは、人々が共通の「状況」に憧れを抱くことは、なくなりました。

「クリスマスは、誰かの家に集まって皆で飲むって感じでぇ、、、、。恋人とホテル?なんすかそれ」という

感じになってきたのです。不景気の時代に流行るのは、憧れをかきたてる歌ではなく、現状を肯定する歌です。

「自分を信じて」「そのままでいい」「夢をあきらめないで」といった、

つまりは、「成功とか幸福とか今現在得られなくても、それは、それで、よしとしましょう」的な、

自分の都合に合わせた好意的解釈がいくらでもできる抽象的度の高い歌詞ばかりがヒットするようになったのです。

でも、どうもこの手の歌詞はしっくりこない私、それというのも、バブル期に20代をすごし、

恋人はサンタクロースでしょうやっぱり

なとど、浮かれた生活をしていたせいなのか。

私は、昔、カラオケで懐メロを歌う大人を心の中でばかにしていたのでした。

しかし、今となっては、たとえ、馬鹿にされようと、ナツメロに聴き入る人達の気分がよくわかる。

ということで、1954年生まれのユーミンがもうすぐ還暦だという2012年の初夏に、

私は、彼女の歌を妙に盛んに口ずさんでいるのでした。


←前月のコラム 次月のコラム
 
| ホーム | ITj事例 | プロフィール | お問合せ | サイトマップ |
© 2001-2007 e-alley