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1月 「1月」


 

冬にいらつくこと、それは、何と言っても他人が鼻汁をすすぅている音をきくことです。
いつまでもすすり続けている人が、電車で隣に座ると、「いいかげんに鼻かめよ」と言ってやりたくなります。

テッシュが、ないなら、いっそのこと思い切って、飲み込んでほしいとすら思ってしまいます。
また、鼻をかんだテッシュを広げて確認している人を見るのもいやなものです。

そこで、皆さんお客さまに注意してほしいことがあります。
寒い外から、暖かい店の中に入った瞬間など、水っパナがたれてくる。
とくに真冬は、水っパナに気づかないでいるお客様が多い。

「糸くずがついている」という指摘は、できても、お客様に「水っパナがでているわよ」と指摘できないのが、私のつらいことろです。
お客様の鼻の穴に光る水っパナに気づかないふりをしつつ、店の暖房によってお客様の水っぱなが、乾くことを待つしかできない
私でした。

これから、まだ、寒い日が続くので、皆さん、フィリックスに来店した時は、少し自分の鼻に気をつけてくださいね。

 

2月 「尽くしモノ」


 

頭では、「やめておいた方がいい」とわかっているけど、つい、魅力的に思えてしもうものが、世の中には、たくさんあります。
食べ物に関しても健康に悪そうなものほど、おいしい。
そしていつも「やめておいたほうがいい」と思いながらつい食べてしまうもの、そう、それは、「尽くしモノ」。

尽くしモノとは、ある一つの食材を、様々な方法で、調理してコースにするというやつ。
「カニ尽し」「こんにゃく尽し」とか。尽くしモノには、誰もが一瞬、惹かれるものです。
地方の名産を使っていたりすると、「ここでしか食べられないものだし」「この機会にいろんな調理法で、味わうのもお得かも」とスケベ心が起こる。けれど、最後には、絶対飽きて、「やめときゃよかった」と思うのが、「尽くしモノ」の宿命でもあります。

確かに、尽くしものは、最初の一品、二品までは、美味しく食べることができます。
私も先日、「豆腐尽し」を食べたのですが、最初に出てきたシンプルな冷奴と、あんかけ豆腐は、嬉々として食べていた。しかし三品目になると、突然飽きます。豆腐は、あまりにもさっぱりしているためこのあたりで、「肉、喰いてぇ」という煩悩が、湧いてきてしまうのです。
最後にご飯と、味噌汁(具は、豆腐)が、でてきても、「豆腐じゃヌケない(ご飯のおかずにならない)」などと、下品なことを口走っていました。

やはりどんなに美味しくても、「尽くし」は、飽きるのです。それは、男女関係と同じかもしれません。
しかし、人は、その事実を知っていながら、つい「一人の異性尽くし」ができるのでは、ないかと、幻想を抱いてしまう。

「豆腐尽くし」に懲りても「カニ尽くし」のメニューを見ると、つい食べたくなってしまうように、Aさんに飽きて別れてもBさんに会うと、
「この人となら、一生うまくやっていけるのでは」なんて思ってしまう私たち。

ま、その思い込みはが、現代の結婚制度をかろうじて支えているかもしれません。

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