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鳥井閑の実践的作詞作曲講座

鳥井閑の実践的作詞作曲講座in2BEAT
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-2- Country,BlueGrass調 2001年10月9日
 10月9日、鳥井閑の作詞作曲講座の第二回が開かれ、私は講座が始まる少し前に2BEATの扉を開けた。 この日も私が訪れたときは、カウンターで3,4人の客が酒を傾け、マスターと話していた。私はメニューから"ナスのジャパスコみそ炒め"というものを選んで注文し、ジンロックを飲みながらカウンターの会話に加わりながら料理を待つことにした。
 さて、この"ジャパスコ"というものであるが、これはまさに2BEATのオリジナル調味料であり、しょうゆベースのタバスコと思っていただきたい。茶色の液体であるが、しょうゆのコクにピリッとした辛味が効いている。万能の調味料でしょうゆに合う料理であれば、例えばタラコスパゲッティ−やジャンバラヤのような米を使った料理など、なんにでも合い味のアクセントとして抜群の調味料である。
 この日、店内の話題はなぜか"クサイもの"に集中していた。ママカリや中国のピータン、トーチャーフ、ホヤ、本場韓国のキムチなど、皆それぞれがおいしいと思うクサイ食べ物の話をし大盛り上がりである。ママがかつて御客さんから頂いたくさやのことを教えてくれた。御土産で売っているようなものでなく八丈島の地元の家庭で作られたもので、その臭さも格別であるが素晴らしい味であったという。
 こってりとしたみそが絡み、ジャパスコがピリッと効いた "ナスのジャパスコみそ炒め"は熱くてホクホクしていた。ナスをほおばっていると、綾ちゃんが「ご飯を食べたくなるでしょう」と言う。確かに酒にもご飯にもぴったりだ。これも"ママカリ"の一つだと私は思った。
  "クサイもの"の話題がひとしきり落ち着いたところで鳥井閑の作詞作曲講座が始まった。今回のテーマは「Country, Blue Grass 調」である。
 前回と違ってすっかり落ち着いた雰囲気の鳥井氏がカウンターで歌い始めた。軽やかなギターのリズムが刻まれる。

  ♪緑濃くなる頃♪

  梅雨空の雲間より 顔出す太陽は
  新しい力を今日も降り注ぐ
  そうさ、二人の愛も育つ時
  若葉の季節は過ぎて 緑濃くなる頃さ
    (Refrain)

  火のように真っ赤な 夏の花も
  今はまだ蕾(つぼみ)のまま 咲く日を待っている
  だけど、二人の恋は燃える時
  若葉の季節は過ぎて 緑濃くなる頃さ
    (Refrain)

  栄光のゴールを 目指す子馬は
  青草の繁る牧場を駆け回る
  二人の夢は空を駆ける時
  若葉の季節は過ぎて 緑濃くなる頃さ
    (Refrain)

「明るい曲なんだ」「のりが言いねえ」と店内は一気に盛り上がった。
「曲はいろいろ書いているのですが、自分の原点であるカントリーやブルーグラス調の曲が意外と少ないのですよ。今回はそんなカントリーらしい曲を3曲歌います。」と鳥井氏。
「それでは次は"一人旅"」
「みちのく!」と綾ちゃんが合いの手をいれる。鳥井氏はいったんギターを弾き始めた手を止めて言った。
「そうなんですよ。日本語だとどうしても染み付いたイメージがあって、なかなかこれをフォークソングだとかカントリーとしてとって頂けないところがあるようですね。」
「でもこれはカントリーですよ」

  ♪一人旅♪

  旅は道連れ世は情け
  鈍行列車の音だけが たった一人の友達さ
  夢破れたこの俺に 語りかけるよ、ガタゴトと
  ゆっくり行こうぜ お互いに

  山は緑に水清し
  ぼんやり眺める山と川 やけに心に染み渡る
  塵に汚れたこの俺を 洗ってくれよ、さっぱりと
  忘れたいのさ 過去なんて

  金は天下の回り物
  すっからかんの懐(ふところ)は 今は虚しい夢の後
  開き直ったこの俺は 体を張って生きるのさ
  男一匹 くそ度胸

  恋は盲目夢の中
  逃げた女の面影が そっと心に蘇る
  惚れているのさ今もなお 帰ってくれよ、この胸に
  一人唇噛みしめる

曲調はカントリーである。しかし先ほどとは一変して切ない歌だった。"一人旅" この言葉にはカントリーであろうが日本の歌謡曲であろうが、やはり失恋や人生の分かれ道などの重いイメージがある。こうやってじっくり歌詞を噛締めながら歌を聞くことで、メロディーや詩の持つ深い意味が見えてくる。
さて、今回最後の一曲は2BEATではすっかりお馴染みの鳥井氏の曲である

 ♪窓に花を飾ろうよ♪

  窓に花を飾ろうよ 二人の部屋の
  窓に花を飾ろうよ 花を一杯飾ろうよ
  二人の愛が外へ こぼれるように
  道行く人に 微笑み投げかけるように
  窓に花を飾ろう 一杯飾ろう
  窓に花を飾ろう 二人の部屋の

  窓に花を飾ろうよ みんなの家の
  窓に花を飾ろうよ 花を一杯飾ろうよ
  新しい散歩道が 出来るように
  君と二人歩こう  花のトンネルを
  窓に花を飾ろう 一杯飾ろう
  窓に花を飾ろう みんなの家の

  窓に花を飾ろうよ 世界中の花を
  窓に花を飾ろうよ 花を一杯飾ろうよ
  世界中の小鳥が 飛んで来るように
  平和の便りを 運んで来るように
  窓に花を飾ろう 一杯飾ろう
  窓に花を飾ろう 世界中の花を

  窓に花を飾ろうよ 花を一杯飾ろう

 テンポが良く明るい歌詞に店内に手拍子が起こる。鳥井氏は開講2回目にしてすっかり慣れた様子で堂々と歌っている。
「トリカン大成功ですね。」と綾ちゃんがからかった。
 トリカンの歌で店内が盛り上がったまま、続いて綾ちゃんがスローテンポの"スタンドバイミー"を歌った。綾ちゃんにあわせて客が歌い、手拍子が起こる。この曲には誰もが何かしら思い出を持っているようだ。これで皆すっかり調子づいて、その後は懐かしのナンバーを中心にミュージックタイムが続いた。2BEATの夜は楽しい。歌を中心に人が繋がり、広がっていく。また次も来よう、と思い私はすっかり満足して2BEATを後にした。

文責 ゆうき

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