男性の老化（おばさん化）
まずお客様を見て思うのですが、男性というものは、上昇意欲をなくした瞬間に「おじさんのおばさん化」がはじまるみたいです。
具体的に言うと「もてたい欲」と「出世したい欲」です。
「もてたい欲」が枯れてくると「いやー！うちの女房がさぁ」とか「子供の受験が」「孫の話」を急にタレ流し始めるのです。
その姿はまさに「うちの主人がさぁ」とランチを食べながらおしゃべりするおばさんと同じ。そしてそんな話を聞く私は「ああ！彼の中で何かが終わったのね」と静かに理解するのでした。
「出世欲」が枯れてくるとまず、健康に気を使う発言が目立つようになる。それと間違いなく健康的になり「いゃあ！ガーデニングっていうのは面白いものだね。毎日早起きして水をあげているんだよ。今は野菜も作っていてね」などと発言し、私は耳を疑うのです。ここまでくるともう、おばさん化を通りすぎておばあさん化と言ったほうがいいかもしれません。
「男としての自信」が薄くなるのと同時に、彼らは限りなくおばさんに近づいていく。そうおばさんはまったく無理をせずに生きている生き物ですから。
おばさん化していくお客様を見ていると、少し寂しい気持ちになりますが、「ああ！彼も無理してがんばらなくていいのね」とホットするものです。
実際、おばさん化したお客様の顔は優しく、瞳には開放感が漂っています。
自らも少しおばさんの道を歩みつつあることを感じる私はそんな風に思うのでした。
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