岩田 雅子
ZAN00466 2001/04/02 04:38
題名:フィリックスより
Date: Mon, 2 Apr 2001 04:38:53
世の中には、はっきりした基準がある。たとえば、ブーケのママ(うちのビルの4階にあるもと女優の美人ママ)のような美女が
「私ってモテるの、男性が寄って来て大変なのよ」
と言ったとしても、誰が咎めることがあろうか。みんな、おとなしく納得するはずである。
許せないのは「このレベルのママがなぜ!」というような人が、「私はモテる」と言って、それが嘘ではないということであろうか。
うちのお客様も彼女に憧れているひとりで、彼女にこう尋ねたそうだ。
「ママって子供の頃からモテたでしょう」
「ええ、凄かったわね」と彼女。「ずっと順番待ちしてもらったわね」
私は思う。こういう風にぬけぬけと言えることがモテるコツなのだと。
最近、わかったことであるが、たいていの男性にはM的要素が備わっている。
特に銀座で飲んでいる男性はそうだ。「いじめられたい」「言葉でなじられたい」という妄想が強い。
モテるママの傾向をみていると「男性に対して気をつかわない」という、この1つに絞られる。
お客様と食事をするたびに遠慮して高価なものを頼まないというのは、すぐお客様になめられる。
「このママ男性にモテなかったな」と過去を見抜かれるのだ。
今でも思い出すことがある。まだクラブに勤めていた頃、お客様が「トンペリのピンクを入れてやるよ」と言った時、「そ、そ、そんな大それた事」という声がして、後ずさりしてしまったのである。私は本当に馬鹿だった。
お客の交際費の枠を心配するようなママはずっとモテないままだ。
うんとわがままで傲慢でしかも愛されるママになるには、長年の訓練が必要なのである。しかし、これはとても難しい、1週間や10日では身につくものではない。最近はひたすら、自己トレーニングをしている。
まず、昼起きてベットの中で「私はすごくモテる女なのよ」と繰りかえし、自分に言い聞かせる。
「2年前のあれはフラれたんじゃなくて、私のゴージャスさに彼がついてこれなかっただけなのよ」とマイナスの過去をひたすら、プラスにかえる。
後は、誉め言葉専用のお客様をひとり確保できたら最高なんだけど(今のところいません、募集しています誰かやってください)つまり白雪姫のママの鏡の役というところでしょうか。
「ママってどこかのお嬢様かアイドルタレントそのものだよ」
「僕にとってママって女神みたいな存在だよ」こういう言葉をしょっちゅう浴びせてもらうわけだ。
すると、どうだろう、たちまちいい女になることができる。
そして、そういう話題になったら、はっきりこう言う。
「私は昔から、モテたわ。今でもすごくモテるの」でこう付け加える「私って美人でもスタイルがいいわけでもないけど、なぜか、昔からモテるのいろいろ努力しているせいかしら」
あくまで毅然としてこれを言う。するとお客様も一目置くようになる。
そして「フィリックスのママはモテるらしい」という噂がたつのだ。
男性はこういう噂に弱く、アリンコのようにお店に寄ってくるようになったらしめたものだ。
PS,このメールを作成している時、ある本を読んだらそこには、「女性の男性観って15歳の時、どうゆう境遇にあったかで決まってしまう」と書いてありました。15歳の時にどれだけ可愛いか、モテたか、クラスの中心にいたかで、その後の女としての一生は決まってしまうんだそうだ。
でも、これって当たっていると思います。
大人になってどんなに口説かれても、そのトラウマを消すことはできません。
皆さん、男性はどうですか?
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