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@niftyなお店 フィリックスコラム

フィリックス コラム(2000年10月)

岩田 雅子
ZAN00466 2000/10/23 07:54
題名:フィリックスより


風邪をひいてしまいました。喉は痛いし、頭はぼっとする し、最悪の状態である。
子供の頃は風邪ひきも楽しかったなあ。母親が優しくて「何を食べたい」って 聞いてくれるのだ。「ヨーグルトと桃の缶詰と玉子おじや」といろいろ並べて もらい食べる楽しさ。舌がぼんやりしてあまり美味しくなかったけど、それで も満ち足りた思いがやがて、安らかな眠りへと繋がっていく。
しかし、大人になった私に「何を食べたい」って聞いてくれる人はいない。
私はよろよろと立ち上がって買い物にでかけた。
私は、過去の何度かの風邪を生来の意地汚さで乗り切ってきた。
どれほど熱があっても食べる。普段は躊躇するようなカロリーの高いものや 大が3つつくぐらいの好物を食べるのだ。
「風邪は体力との勝負だから、とのかく食べなくちゃね」と自分を納得させ て。優勝セールでバーゲンをやっている新松戸のダイエーに行く。ダイエーの中の ケーキ屋で、シュークリームとチーズケーキを買う。 風邪の間は何をしてもいいような気がしてくるから不思議だ。 念のため、体重計に乗ったら、1キロ減っているではないか。 さのあまり、私は一生、風邪をひいたままでもいいとさえ思った。
次の日も、朝から、ホットケーキを焼き、大学芋を食べる。 大学芋は私の大好物であるが、あまりにも高カロリーなので、普段は手をださずにいた。しかし、私は風邪ひきなので、何も怖いことはない。
このまま治ると思いきや、また、頭が痛くなってきた。完全にダウンという状態だ。
しかし、私は必死で考える。「何を食べようか」と ぴったりなものを思いついた。出前で「鍋焼きうどん」をとるのはどうだろう か?鍋焼きうどんを残さず食べた後は、レディスコミックの新刊を持って ベツトに入る。ああ、極楽、極楽。
子供のころ、風邪をひいた日は、神様がくれたオマケという感じがした。分で自分の看 病をしなくてはならない大人になっても結構いける。 念のため、体重計に乗るが1キロ減ったままだ。よし、決めた うんと寝て、うんと食べるぞ。ベットの中にビールと栗最中を持って行こう。 私はとても、得した気分になる。
冷静に考えると本当は何も得などしていない 請求書と経理の伝票が山のようにたまって、後で泣きを見るのであるが、 今の私は風邪の自堕落な喜びに」ひたっていたのでありました。
御元気ですか?年内には歌いにきてくださいね
 
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