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デジタル・デバイドがIT革命を促進する?
IT革命の進展とともにインターネットによるショッピングが普及する。この方法で物品を購入すると従来方式より安価に購入出来るのでインターネットが使える人達と使えない人達の間で貧富の差が拡大する。デジタル・デバイドという言葉の意味はこのような事だったと思う。
貧富の差の拡大は社会問題につながるのでIT革命を進めるためにはデジタル・デバイドの解消策を予め用意しておかなければならない、という論が当然のごとく出てくる。
デジタル・デバイドの解消に何ら反対するつもりはないが、IT革命の推進にはある種のデバイドの存在も必要ではないかと思う。

テレビが家庭に普及した時の事を振り返ってみよう。一家に数台テレビがある時代に育った世代の人達にとっては実感が湧かないかも知れないが、まず電気屋さんが近くの広場に設置してプロレスなどを放映し関心を誘った。その内にラーメン屋さんやそばやさんが購入した。ラーメン一杯で長時間粘って野球中継を見た事を記憶している。あの大女優の吉永小百合さんもそのような話を何かのコラムに書いていた。お金持ちの家には早目に入り、そこの家の居間には近所の人達が大勢集まってきた。お金持ちの家の人達も当然の事のごとく迎え入れてくれた。そのようなコミュニティの有無はともかくとして、そこには厳然として「デバイド」が存在したのである。「早くうちでも買いたい」の思いは根強いものであった。当時はアンテナを屋根に立てたのでテレビのある家は一目瞭然であった。そのうちに月賦で買ったりして急速に普及して行った。
車の場合も同じである。持っている人と持っていない人とでは便利さやカッコ良さなどの「デバイド」は明快であった。こちらも「早く持ちたい」との一心で一生懸命働いて手に入れた。

話は変わるが、先日ある異業種交流会で講演する機会があった。終了後の懇談会で参加者の一人が面白い事を言っていた。定年直前に丁度会社のパソコン教育があり費用も会社負担で受講した。インターネットも一通りマスターし、退職後さてパソコンを買おうかと思ったが利用価値が見つからないのでそのままになっている、と言うのである。
参加者の人達が代わるがわる「価値」を説明したが、本人がその気になった様子はなかった。昔、自宅にテレビを持つ事に憧れたようにパソコンやインターネットに憧れるような強烈な「デバイド」の存在こそがIT革命の促進剤ではないかと、ふと思ったのである。パソコンやインターネットを使っても使わなくても同じでは面白くも何ともないのである。

またまた話は変わるが、iモード利用者がわずか20カ月で1,200 万人を突破したそうだ。「デバイド」がどうのこうのといった話はどこの事かと感じるが、持っているのといないのでは便利さが違うという「デバイド」を実感出来る事が普及を促進したものと思われる。
自動車の場合もそうだが、便利で利用価値のある事が実感できるものにはお金や時間をつぎ込むものである。

Business@niftyコラム「eビジネスの現場」2000.12.12掲載

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