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鳥井閑の実践的作詞作曲講座

鳥井閑の実践的作詞作曲講座in2BEAT
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-6- 一小節から広がる世界

「今日は、愛のシュプールを歌うんでしょう?」ママが鳥井氏をからかっていた。不意をつかれた鳥井氏は
「まあ、それはお楽しみですよ。」と、少し照れながらママの矛先をかわしていた。愛のシュプール、なんとも軽い響きの言葉である。今日も私は面白い歌が聞けそうな予感がした。

今日のテーマは"一小節から広がる世界。
「一小節だけがまずあって、後から肉付けをして創り出した曲を集めてみました。最初の曲は、"何でも夢見る自由があったよ"とう言葉がありまして、これをもとに作った曲です。」
「この言葉、しゃれた言葉だと思うのですがどうでしょうか?曲名は"大垣行き鈍行列車"です。」
「"何でも夢見る自由"と、"大垣行き鈍行列車"がどう関わってくるかを聞いていただければと思います。」

♪大垣行き鈍行列車♪

  大垣行き鈍行列車 酔い潰れあわてて飛び乗る
  君と旅に出たのもこの列車
  あの時は夢一杯 カバンから溢れて
  持ちきれず おたおたしてたよ
  ぼんやりした夢には 意味がないことも知らずに
  大垣行き鈍行列車 何でも夢みる自由があったよ

  東京発夜行列車 酔い潰れ藤沢乗り越す
  二人で旅に出たのもこの列車
  あの時は窓一杯 朝日が眩しく
  耐えきれず 目を覚ましたよ
  君はまだ夢うつつ 肩にもたれて眠っていたよ
  大垣行き鈍行列車 朝日は二人を照らしていたよ
  朝日は二人を照らしていたよ

 ジョンデンバーの曲の雰囲気を真似たという"大垣行き鈍行列車"。いつのまにか日常から外れ、遠くへ行ってしまいそうな若者達の感覚が、長距離の鈍行列車という言葉に置き換えられて上手く表現されている。自由とは一種の不安定な状態でもある。その中でもがいていた若い心の揺れ動きが、曲の中に響いていた。
「まるで、サラリーマンの悲哀を歌ったような曲ですがね。」と鳥井氏は茶化して言ったが、なんともいえない甘く切ない歌である。ちなみに、この曲に描かれた恋人達の姿は全部事実であるそうだ。

「次は、"振りかえっても未来"、この言葉から広げてつくった曲です。」
「未来を振り返るのですか?」と綾ちゃんが質問する。
「普通、"振りかえる"といえば過去のことですが、あえて"振りかえっても未来"ということで、前向きにいきましょうと言いたいのですよ。」
「なるほど。今、目からうろこがいっぱい落ちました!」綾ちゃんはいつも前向きに生きていそうである。

  ♪愛のシュプール♪

  嘘のような青空 吹雪は消えて
  新雪深く 昨日の悲しみ埋めて行く
  ああ、振り返っても未来
  汚れのない 白いキャンバス
  愛のシュプール描いて行こう
  シュプール お前の
  シュプール シュプール お前の愛が
  シュプール シュプール シュプール お前の愛が飛んで行く

  おもちゃみたいなロッジが 麓に散らばる
  手を伸ばせば 掴めそうな気がする
  ああ、見下ろせばパノラマ
  おとぎの国 夢の世界へ
  お前と二人で滑って行こう
  シュプール 真っ赤な
  シュプール シュプール 真っ赤なヤッケが
  シュプール シュプール シュプール 真っ赤なヤッケが飛んで行く

  ああ、振り返っても未来
  光る山並み 朝日浴びて
  愛のシュプール描いて行こう
  シュプール お前の
  シュプール シュプール お前の愛が
  シュプール シュプール シュプール お前の愛が飛んで行く

前向きに、という意味を込めたと言うだけあって明るいテンポの曲であった。なかなか良い曲なのだが、鳥井氏はこの曲の出だしが気に食わないそうだ。歌い始めたとたんに嫌になってやめてしまいそうなぐらいうんざりするそうだが、このあたりは作った本人にしか分からないところだろう。いつも完璧な曲ができあがるわけではないと鳥井氏は言う。
 最後の明るい曲の効果で2BEATは盛り上がり、今回の鳥井閑の作詞作曲講座も成功のようである。愛のシュプール、自分で口にするのは照れるがなかなか良い響きだった。

文責 ゆうき

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